テオリアハウスクリニックでシロアリ防除施工をおこなった施工事例を紹介する「シロアリ駆除・予防事例」。
こちらのお宅では、2階小屋裏から1階までカンザイシロアリの被害が広がっており、駆除施工をおこなってから建物を解体することになりました。
建物を解体する際にでる被害材をそのままにしておくと、さらなる被害・生息範囲の拡大につながるおそれがあります。当社ではお施主様のご理解を頂き、解体時の駆除も実施しています。
調査の際に、窓枠や敷居にアメリカカンザイシロアリの糞が溜まっているのが確認できました。
写真中央の白い穴はアメリカカンザイシロアリが糞を排出するための糞口です。この糞口があればその木材にアメリカカンザイシロアリが生息していることは確実のため調査の際には、糞口の確認が重要となります。
敷居にも被害がみられます。
家具も木材のためアメリカカンザイシロアリの加害対象です。引き出しの中には糞が溜まり、家具にも糞口がみられます。
施工
駆除施工は別日におこないました。
解体現場のため、このように天井は開口して施工を実施します。
実際に小屋裏を覗くと、糞が大量に溜まっており、被害の大きさが伺えます。
梁は大規模に食害を受けています。
カンザイシロアリの駆除は、基本的に被害材にインパクトドリルで穿孔し、その穴にムース状の薬剤を注入して処理します。
ノズルを穴に当てて薬剤を注入しています。
下の穴に薬剤を注入すると、上の穴からムース状の薬剤が出てきました。
木材を食害した痕(空洞)を薬剤が通り抜けたためです。表面的に被害が見られなくても、実際にはこの様に被害が進行しています。
室内の被害も同様に穿孔処理→薬剤注入の流れで作業します。
薬剤を注入するとシロアリが飛び出てくることがあります。
シロアリは薬剤が当たっていますが、直ぐに死ぬことはありません。それは薬剤が遅効性(効果がでるまで時間がかかる)のためです。
当社では、シロアリ同士が身体を舐め合う習性(グルーミング)を利用するために遅効性の薬剤を選択しています。薬剤のついたシロアリを舐めることで他のシロアリに薬剤が伝搬していき、全体に薬剤を行き渡らせることができます。
今回は、このような流れで建物全体の処理を丸一日がかりで施工しました。
アメリカカンザイシロアリの被害の進行は、ヤマトシロアリやイエシロアリに比べると遅いと言われています。それは、コロニー(巣)が小規模(数十~数百匹ほど)だからです。しかし、被害を放置してしまうと建物全体に被害が及んでしまう怖いシロアリでもあります。
もしも、粒状の糞のようなものが溜まっているのを見かけたら、放置はせず、専門の業者に見てもらうことを推奨します。
アメリカカンザイシロアリに関してはこちらも御覧ください。
アメリカカンザイシロアリを正しく知ろう。生態と特徴について
シロアリ駆除や予防に関する専用サイトはこちら。