テオリアハウスクリニックでシロアリ防除施工をおこなった施工事例を紹介する「シロアリ駆除・予防事例」。
こちらでは、5月上旬に羽アリが1階だけでなく2階からも発生したため、調査依頼が入りました。
羽アリが発生した場所が建物のいたることろから発生していたため、被害が広範囲に拡がっている恐れがありました。早速、調査にお伺いし、シロアリの被害状況の確認をさせていただきました。
床下に入ると、布基礎で土壌が露出した普通の床下です。
しかし、床組部材をみると、大引きにシロアリの蟻道がこびり付いているのが分かります。
これを蟻道や蟻土といい、シロアリが土や排泄物を材料に作り上げています。内部はトンネルの様な構造物で、その空洞をシロアリが行き来しています。
また、他の場所では大引きに直交する根太という部材に蟻道が伸び、そのまま床まで到達しています。この様にシロアリは床下から侵入し、床や壁に到達するのです。
こちらでは、さらに深刻なシロアリ被害が見られました。床を支える束柱がシロアリの食害を受けています。中は空洞となっており、全く束柱として機能していない状態です。
手で簡単に外れる状態であったため、こちらは束柱を交換することになりました。
そもそもシロアリがどこから上がってきていたかと言いますと、土壌から蟻道を構築し侵入します。
この様に蟻道を束石に構築して木材に向かいます。シロアリは非常に弱い生き物です。光を嫌い、空気の流れも嫌います。光が入らないように、風が当たらなように、そのために蟻道を作りその中を移動することで自分たちの欠点を補っています。
調査時は、実際にシロアリが生息しているかを確認します。蟻道を壊すと、今回はシロアリが行列をなして移動している最中でした。まさにこちらの被害は進行形だということです。また、このシロアリは「ヤマトシロアリ」という種類のシロアリで、日本で最も一般的なシロアリです。
駆除工事
調査後、駆除工事のご依頼をいただき、施工に伺いました。
まず、床下に入り、被害状況を再確認します。
そして、薬剤散布の前に被害部分をドリルで穿孔し、薬剤を被害材内に注入出来るような穴を開けていきます。
激しい食害を受けていた束柱は、この様に鋼製束に交換しました。
被害箇所は、穿孔した穴にノズルを当てて木材用の薬剤を注入します。
被害が無い部分にも木材部表面に薬剤処理をおこないます。これをすることで被害の拡がりを防ぐとともに、腐れやカビの予防に繋がります。
木材部の処理後は、土壌専用の薬剤を土壌表面に散布します。シロアリは土壌中を移動して床下に入ってくるため、土壌表面に薬剤のバリア層を作ることで床下に上がらないようにします。
今回、床下のシロアリ駆除施工はこの様な流れで実施しました。
こちらの建物では、羽アリがシロアリ被害の発見に繋がりました。しかし、シロアリが羽アリを飛ばすのは巣が成熟している証拠と言われています。実際に、床下の木材の被害は甚大で、部分的な補修が必要になるほどの被害でもありました。
もちろん4~5月の時期に羽アリを大量に建物内で見かけたら、シロアリの可能性が高いので調査を依頼していただくのが賢明です。しかし、「羽アリが出たら対処するもの」と理解されてしまうと非常に危険なのがシロアリ被害です。目に見える兆候が出る前に、定期的な調査やメンテナンスをして頂くことがシロアリで大きな被害を起こさないために大切な考え方ではないでしょうか。
※施工方法は一例です。建物構造等により施工方法は異なります。
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