テオリアハウスクリニックでシロアリ防除施工をおこなった施工事例を紹介する「シロアリ駆除・予防事例」。
こちらの建物では、5月下旬に羽アリが3階から発生したため、調査依頼が入りました。通常、ヤマトシロアリの羽アリは1階付近で飛び出すことが多く、3階から発生している今回のパターンは比較的珍しいケースです。
東京都に生息しているヤマトシロアリは木材を加害する際に水分を必要とします。そのため通常は地上1mほどで被害は止まります。しかしながら、雨漏れや壁内結露などで木材に水分が供給されていると、3階に雨漏れがあればシロアリはそこまで建物を加害することがあります。
早速、調査にお伺いし、シロアリの被害状況の確認をさせていただきました。
まず、床下状況を確認するため床下を調査します。意外なことにシロアリの被害はほとんどなく、木材も乾燥した良好な状態でした。時期や落とした羽の形状からヤマトシロアリで間違いないのですが、床下に侵入した形跡が無いということは、考えられる事が2つあります。
それは、
「外から建物に侵入している」
の2つです。「床下空間の無い場所」とは、玄関や在来浴室、土間などです。このような場所からの侵入はポピュラーなので、真っ先に疑うのですが、今回の現場は異なりました。2つ目の「外から建物に侵入している」のパターンで白蟻に侵入されていたのです。
シロアリは、光(太陽光など)や空気の流れ(風や気流など)を嫌う昆虫です。そのため通常は床下などの暗闇から建物に侵入します。外から基礎に蟻道(ぎどう)を構築し、住宅に侵入することは非常に稀です。しかしながら、「風が通りにくい」「ジメジメしている」「光が当たらない」などの環境が整うと、外蟻道を作られることがあります。
そのため弊社では、建物の周囲は風通しよくし、物を置いたり植栽で基礎を覆わないなどのアドバイスをさせていただいております。
今回は、床下および、外蟻道のある外周部、羽アリの発生している壁、を中心に駆除をご提案させていただきました。
シロアリ駆除
調査後、工事のご依頼をいただき後日白蟻駆除施工に伺いました。
まずは、床下に入る前に出入り口から点検口までポリフィルムや養生シートでホコリ対策をさせていただきます。
床下への被害はほとんどないため、予防として木材部と、土壌面への薬剤散布処理を実施します。
今回は、外蟻道による侵入のため外蟻道の侵入箇所も入念に処理しました。
また、羽アリが3階まで発生したため壁内への穿孔注入処理も実施させていただきました。
今回はこのような流れでシロアリ駆除施工を実施しました。
建物の外周から侵入することは稀なことですが、テオリアハウスクリニックでは調査時に外周の状況も踏まえて調査のご報告をさせていただいております。ウッドデッキや木製フェンスなどを使われているお庭や、物置を外壁に沿って置いているなど、もしかしたらシロアリが外から入ってきやすい環境を作ってしまっているかもしれません。
通常、定期的な床下の予防処理を実施していれば、シロアリの被害を未然に防ぐ事ができます。しかし外周からの侵入は想定されていません。だからと言って、外からの侵入は防げない訳ではなく、シロアリが住み着きにくい環境を作ってあげることが何よりも大切な予防対策といえます。
※施工方法は一例です。建物構造等により施工方法は異なります。